「ソロスの講義録 資本主義の呪縛を超えて」既刊・関連作品一覧
一冊目『ソロスは警告する』で「大不況以来最悪」の危機を予見し、
二冊目『ソロスは警告する2009』では、その危機を克服しようとする介入の
短期的な実効性と長期的な危うさを見抜いたソロス翁、
今度の『講義録』では、どのような未来図を描いているのだろうか?
本書の最終校正を進めている間にも、ギリシャなどの債務危機が
通貨ユーロへの信認問題へとたちまち拡大する過程を目の当たりに
することになった。(中略)ソロスは本書で「ユーロの抱える
本質的な脆弱性は全ヨーロッパ的な財務省がないことだ」と喝破しているが、
またしても彼の洞察の正しさが最悪のタイミングで立証された形だと言えよう。
(訳者 まえがき より)
目次 (一部抜粋)
■第一講義 人間不確実性の原理
恩師カール・ポパーとの出会い
哲学者志望からトレーダーの道へ
人間はなぜ「誤る」のか
解明された「バブル」のメカニズム
合理的期待の理論を嗤う
■第二講義 「再帰性」と金融市場
金融市場の二大原則
金融規制当局の役割
「強い中央銀行」が中国を発展に導いた
政府のコントロールは「悪」ではない!
効率的市場仮説を一掃せよ
■第三講義 開かれた社会
政治家の主たる目的とは
現実を誤解した啓蒙主義
ブッシュ時代に現実化した『1984』の悪夢
情報操作の時代
オバマ大統領への懸念
■第四講義 資本主義VS.「開かれた社会」
代理人は「誰」のために働くのか
「見えざる手」の背後に潜む「見える手」
公共道徳の没落
営利行為と化した「医者、弁護士、ジャーナリスト」
■第五講義 未来へ向けて
「二番底」の可能性は消えていない
規制もグローバル化しなければならない
凍結状態に陥ったヨーロッパ経済
中国のウィークポイント ほか