人間国宝や文化勲章に推挙されても応じることなく、一陶工として独自の陶芸美の世界を切り拓き、ついには焼き物の枠を超えた無私普遍の自在な造形世界に自らを燃焼させた河井寛次郎が、美しい物に隠れている背後のものを求めての歩みを詩情豊かな文章で記した、土と火への祈りの書ともいうべき名エッセイ。
月の宴
風景の向こうへ・物語の系譜
絶望の精神史
草の花
父たちの肖像
やわらかな心
板散華
風貌・姿勢
意中の文士たち
包む
箱の話・ここだけの話
眼の哲学・利休伝ノート
虚妄の正義
一色一生
加賀金沢・故郷を辞す
式子内親王・永福門院
番茶菓子
思い出すままに
近代の超克
ちぎれ雲
英国の文学の横道
カレンダーの余白
贅沢貧乏
山川登美子 「明星」の歌人
英語と英国と英国人
愛酒樂酔
父の帽子
恥部の思想
女の日記
一草一花
手の変幻
異邦人の立場から
風前雨後
泉に聴く
栗の樹
歴史について
文学の運命
人と人影