染織家・志村ふくみは、数十年、さまざまな植物の花、実、葉、幹、根を染めてきた。それらの植物から染まる色は、単なる色ではなく、色の背後にある植物の生命が、色をとおして映し出されているのではないか。それは、人と言葉と表現行為と、根本的に共通する。芸術と人生と自然の原点に佇んで思いめぐらす深い思索とわがいのちの焔を、詩的に細やかに語るエッセイ集。
月の宴
風景の向こうへ・物語の系譜
絶望の精神史
草の花
火の誓い
父たちの肖像
やわらかな心
板散華
風貌・姿勢
意中の文士たち
包む
箱の話・ここだけの話
眼の哲学・利休伝ノート
虚妄の正義
加賀金沢・故郷を辞す
式子内親王・永福門院
番茶菓子
思い出すままに
近代の超克
ちぎれ雲
英国の文学の横道
カレンダーの余白
贅沢貧乏
山川登美子 「明星」の歌人
英語と英国と英国人
愛酒樂酔
父の帽子
恥部の思想
女の日記
一草一花
手の変幻
異邦人の立場から
風前雨後
泉に聴く
栗の樹
歴史について
文学の運命
人と人影