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(訳註)中国近世刑法志

「律令は文辞古質にして看覧する者もって詳明しがたし。格勅は条文繁多にして検閲する者あるいは疑誤あり」(旧五代刑法志)。法文は旧中国知識階層においても取りつきにくく、その法制理解はもっぱら「刑法志」に基づくものであったと言われる。従来とかく見過ごされがちだが、刑法志とは法律そのものではなく、各王朝の総合的な歴史の一部分としての法制や刑罰の歴史である。本書は正史のうち十世紀以後の刑法志すべてについて原文を掲げ、現代日本語に訳し、更に詳細な注を付す基本資料の集大成。時代ごとの特色とともに、その根底に流れ常に意識されてきた中国法の立体的理解へと導く必読の書。下冊は元と明を収録する。

【目次より】

はじめに 解題にかえて(上)
譯注 奮五代史刑法志
譯注 宋史刑法志
譯注 遼史刑法志
譯注 金史刑志