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不可能犯罪定数

大学の探偵助手学部に通う君橋(クンクン)と月々(マモル)の気分はどん底だった。名門ゼミ入り審査に落ち、悪ふざけで希望を出した知名度ゼロの猫柳ゼミ行きが決まったから。そう、指導教官は功績不明かつ頼りない女探偵・猫柳十一弦。この人の下では立派な探偵助手になれないのか(涙)? だが名門ゼミとの合同研修が決まり、人生大逆転めざし孤島の館へ。その合宿中、奇怪な連続殺人事件が発生する!


日本で唯一、探偵助手に関する技能と実戦を学べる、大東亜帝国大学・探偵助手学部。そこに通う2年生、君橋君人(クンクン)と月々守(マモル)は、ゼミ希望調査の時期を迎えていた。しかし、2人揃って第1、第2希望のゼミを落ち続け、悪ふざけで出した第3希望のゼミ行きが決定してしまう。そのゼミとは知名度ゼロの『猫柳十一弦ゼミ』。さっそく研究室に向かった2人は少女のような風貌の女性と遭遇した。そう、その人こそ指導教官、探偵・猫柳十一弦(25歳)!
猫柳は「ちゃんとあなたたちの面倒を見ます。わたしに任せてください。立派な探偵助手にしてみせます」と云うのだが、普段の行動を見ているとどうも頼りない。それに探偵としての経歴も不詳で実に怪しい……「この人の下では立派な探偵助手になれないのか? 」(涙)とショックを受ける君橋と月々。
そんな弱小ゼミに名門・雪ノ下樹ゼミと合同研修が出来るという朗報が届いた。君橋たちは人生大逆転をめざし、猫柳とともに孤島へ向かう。
ところが合宿初日に事件発生。とても奇怪な姿で絶命した女子学生が発見される。これをきっかけに連続する凶悪事件。嵐のため島外に出られず、本土から助けも来ない状況の中、“功績不明”の猫柳探偵と“経験ゼロ”の大学生たちは殺人事件を止められるのか? 
ストーリーテラーとしてますます磨きがかかってきたメフィスト賞作家・北山猛邦が描く青春ミステリ。圧倒的なリーダビリティと本格ミステリ魂で読み手の心を翻弄します。そしてカバーイラストは大人気イラストレーター・カスヤナガトが担当。北山ミステリの世界観を美しく爽やかなタッチで描き上げました。