「美神」既刊・関連作品一覧
- 電子あり
完璧なまでの美と官能の気配――それが阿佐子を不幸にした……。
男たちを惑わす美少女がたどった破滅の愛の物語
〈阿佐子9歳〉背中に薄いピンク色の羽を隠し持っているのではないか、と思えるような子供であった。
〈阿佐子17歳〉阿佐子が喋れば喋るほど、不思議なことにあたりに静謐さが広がっていくような気がした。
〈阿佐子22歳〉灯されたばかりの門灯の中で見る阿佐子は、その蜂蜜色の肌をきらめかせ、いっそう妖艶に、危なげに見えた。
〈阿佐子26歳〉阿佐子の肌のぬくもりが、コートを通して感じられた。それは儚い夢の象徴のように、矢崎をしんと静かな気持ちにさせた。
〈阿佐子30歳〉「囲われているんです、男の人に」迷いのない、決然とした響きのある言い方だった。
〈阿佐子35歳〉阿佐子が表現する愛情はすべて、彼の中の猜疑心を刺激した。