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日御子

代々、使譯(通訳)を務める安住一族の子として生まれた針(しん)は、病床の祖父から、那国が漢に使者を遣わして「金印」を授かったときの話を聞く。それは、「倭」の国が歴史に初めてその名を刻んだ出来事。針は胸震わせ遠い過去に思いを馳せた。──その後「倭国大乱」「邪馬台国」そして「東遷」へと、代々の使譯たちの目を通じて語り伝えられていく日本の歴史。眼前に広がる古代歴史ロマンが、日本人の心を捉えて放さない。


代々、使譯(通訳)を務める安住一族の子として生まれた針(しん)は、病床の祖父から、那国が漢に使者を遣わして「金印」を授かったときの話を聞く。それは、「倭」の国が歴史に初めてその名を刻んだ出来事。祖父が聞かせてくれる物語に、針は胸震わせ遠い過去に思いを馳せた。それから十数年が経ち、再び漢へ遣いを出すことになった。こんどは針の番だった。伊都国の使譯として正式に任命されたのだ。5隻の船にたくさんの生口(奴隷)を乗せ、漢の都・洛陽へ。──その後「倭国大乱」「邪馬台国」そして「東遷」へと、代々の使譯たちの目を通じて語り伝えられていく日本の歴史。眼前に広がる古代歴史ロマンが、日本人の心を捉えて放さない。