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小説家

死、別離、転向、そして悔恨――勝目梓、最初で最後の自伝的小説!

青春時代から愛読してきたベテラン作家の自伝的小説――のつもりで読みはじめて、やがて「勝目梓」という名前を忘れた。ここにいるのは、小説家という業を背負った1人の「人間」だ。夢と現実との間に引き裂かれ、さまざまな悔恨を噛みしめながら、不器用に、ひたむきに生きていく「人間」の物語なのだ、本書は。勝目さんが書きつづける男や女の情念とは、すなわち「人間」そのものだった。遅ればせながら、いま、それに気づいた。――(重松清)