「手跡指南 神山慎吾」既刊・関連作品一覧

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手跡指南 神山慎吾

公金横領の罪で父が謎の切腹。江戸の手習塾師匠として市井に生きる決意をしたが……。お家騒動がまた青年剣士を修羅場に呼び戻した。

慎吾にはもやもやと、心にひっかかっているものがあった。臼隈(うすくま)七万石狭間家の当主丹波守(たんばのかみ)(松園)が、遺領を継いでわずか2年後に退隠させられ、あまつさえ下屋敷に閉じこめられるようになったのはなぜか?なにゆえなのか?というのがである。(中略)慎吾の父織部の死も、先殿様の退隠とではなく、1万両が行方不明になったことと結びつけて語られ、慎吾自身は、1万両もの大金を私服した不義不忠の者の伜と後ろ指をさされ続けた。