「皿と紙ひこうき」既刊・関連作品一覧
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ずっと変わらないものに囲まれて少しずつ変わっていく、わたし
陶芸家の小さな集落で育った高校1年生、由香。東京から来た、かっこいいけど無口な転校生と、心は通うのか――
後ろを見る。もう見えない。でも、見間違いのはずはない。たしかにあれは紙ひこうきだった。からだを後ろに向け、大事な落とし物をしてしまったみたいな気持ちで捜した。見えない紙ひこうき。バスは走り続け、紙ひこうきを見た場所からどんどん遠ざかっていった。いったい誰が飛ばしたのだろう。あんなところで。
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