「ひどい感じ 父・井上光晴」既刊・関連作品一覧
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大嘘吐きだった父へ、愛をこめて。
娘が描く小説家の実像。
瀬戸内寂聴氏絶賛
「今、小説家荒野さんが小説家井上光晴の人間の魅力のすべてをここに書きあげた。エッセイというよりわたしは秀れた小説として読んでしまった。それほど面白く、息もつがせない。」
作家としても、人間としても、男としても、実にユニークで魅力的な個性の持主であった井上光晴氏が逝き、早くも10年の歳月が過ぎ去った。
井上さんは硬派の純文学作家としては異例なほど夥しい作品を遺した。それらの小説の他に井上荒野という女性の作家を遺した。これも井上さんの貴重な作品である。
荒野さんもまた父に劣らずユニークな小説家になった。今、小説家荒野さんが小説家井上光晴の人間の魅力のすべてをここに書きあげた。
エッセイというより私は秀れた小説として読んでしまった。それほど面白く、息もつがせない。書かれた人物の奇想天外の愉快さであり、それをまるで名外科医のように冷静かつ、細心にメスを入れ、腑分けしていく荒野さんの腕の冴えに驚嘆し、興奮させられたからである。この本を誰よりも熱心に読み、「サイコー」と両手を挙げて祝し、グイと、ウィスキーをあおる井上さんの顔が目に浮ぶ。――(瀬戸内寂聴)
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