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「イタリア」誕生の物語

一八世紀末、イタリア半島は小国の集合体だった。サルデーニャ王国、ジェノヴァ共和国、ヴェネツィア共和国、モデナ公国、パルマ公国、トスカーナ大公国、教会国家、ナポリ王国、ハプスブルク帝国領のミラノ公国……。フランス革命の風を受け、統一国家「イタリア」の実現を目指す「再興(リソルジメント)運動」の激しいうねり。大国フランスとオーストリアの狭間で、いかにして「想像の政治的共同体」は成立したのか?

【目次】
はじめに
 地理的名称・イタリアを国家に/明治のイタリア史ブーム/イタリアへの親近感/『伊太利建國三傑』/中国と朝鮮でも
第一章 「自由の木の酸っぱいけれども甘い果実を味わった最初の国」──一七九六~一七九九年
 イタリアとヨーロッパ/フランス革命とイタリア/「革命の三年間」(一七九六~一七九九年)/「姉妹共和国」の誕生/他
第二章 皇帝ナポレオンのイタリア支配──一八〇〇~一八一四年
 統領ナポレオンの領土再編成/皇帝ナポレオンの領土再編成/ナポレオン支配の光と影/反ナポレオンの運動/ナポレオンの失墜
第三章 不安定な王政復古体制
 ウィーン体制下のヨーロッパ/ウィーン会議によるイタリアの編成/秘密結社運動の活発化/ナポリとトリノの革命/
第四章 秘密結社運動から政党の運動へ
 リソルジメント運動と亡命者たち/マッツィーニと「青年イタリア」/「青年」が意味するもの/「イタリア」の地理的定義/他
第五章 革命ではなく改革を目指した穏和派
 穏和派とは/ジョベルティの『イタリア人の道徳的・文明的優位』/バルボの『イタリアの希望』/他
第六章 イタリアの長い「一八四八年革命」
 一八四八年のイタリアとヨーロッパ/ミラノの煙草ストライキ/南から北へ連鎖する憲法発布/「一八四八年革命」の国際化/他
第七章 リソルジメントの国際化
 第二次王政復古時代の特徴/憲章を堅持したサルデーニャ王国の動向/サルデーニャ王国に流入した亡命者/他
第八章 職人的なイタリア統一
 第二次独立戦争の開始/中部イタリアにおける反乱とヴィッラフランカ休戦協定/サルデーニャ王国に併合された中部イタリア/ガリバルディの「千人隊」/他
第九章 半島の名前から民族の名前となったイタリア
 統一に「洗礼」を授けた住民投票/イタリア王国の誕生/カヴールの急逝に対する反応/「歴史的右派」政権が取り組んだ諸問題/他
第十章 「クオー・ヴァディス、イタリア」──「おわりに」にかえて
 「イタリアよ、何処に行きたもう?」/論争の二つの契機/近現代イタリアにおける三つの異なる政治体制/一九一一年の統一・五〇周年/他
あとがき
文献案内
年表