その感染症に罹患した者は、身体全体が白くなる。 肌も髪も睫毛も、瞳孔さえも。 そしてアンデッド(「死なない身体」)に変化するーー 何処に行けば君を見失わずにいられるのだろう? 逃れられない罪を償うにはどうしたらいいのだろう? 伝染病の噂、宗教と信仰、水の汚染、止まない雨、あらゆる厄災と悪意が満ち、世界の終わりが近づくーー、 ーー白倉由美の最新作は、マジックリアリズムのように絡み合った世界を歩むための物語。 カバーイラスト:鶴田謙二
1965年千葉生まれ。著書に「きみを守るためにぼくは夢をみる」(星海社)、「ネネとヨヨのもしもの魔法」(徳間書店)等がある。