エッセンシャル植物生理学 農学系のための基礎

エッセンシャルショクブツセイリガクノウガクケイノタメノキソ
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エッセンシャル植物生理学 農学系のための基礎
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内容紹介

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目次

第1章 歴史から見た食糧生産と植物科学
1.1 主要作物の栽培化
1.2 農業の発展と植物科学の曙
1.3 主要作物の増産戦略
1.4 進行する食糧問題と植物科学の役割
1.5 まとめ

第2章 植物の生活環から見た形態と機能
2.1 植物の生活環
2.2 植物の基本的な形態と機能
2.3 植物の分類と農学から見た植物の形態
2.4 まとめ

第3章 光合成と呼吸
3.1 光合成
3.2 C4光合成とCAM光合成
3.3 光合成の環境応答
3.4 呼吸
3.5 光合成と呼吸と物質生産
3.6 まとめ

第4章 植物の栄養
4.1 栄養素の吸収と輸送
4.2 水の吸収と輸送
4.3 窒素の吸収・同化と窒素代謝
4.4 多量元素と微量元素
4.5 転流と乾物分配
4.6 まとめ

第5章 植物の生殖―花成,花器官形成・成熟,受粉・受精
5.1 日長と温度変化による花成
5.2 花器官形成・成熟
5.3 受粉と受粉反応
5.4 花粉発芽から重複受精
5.5 まとめ

第6章 農学を支える遺伝学
6.1 体細胞分裂と減数分裂
6.2 メンデルが見いだした「遺伝の法則」と遺伝学の基礎用語
6.3 倍数性と倍数体作物
6.4 植物遺伝資源の収集と利用
6.5 まとめ

第7章 穀物の種子形成と発芽
7.1 胚発生と胚乳発生
7.2 胚乳の進化的意味
7.3 発芽
7.4 まとめ

第8章 植物ゲノムのエピジェネティック制御
8.1 植物ゲノムの構成
8.2 エピジェネティック制御
8.3 まとめ

第9章 植物ホルモンとシグナル伝達
9.1 植物ホルモン作用と恒常性の維持
9.2 植物ホルモンの生合成と輸送
9.3 植物ホルモンのシグナル伝達
9.4 ペプチド型ホルモンのシグナル伝達
9.5 まとめ

第10章 ストレス応答とシグナル伝達
10.1 ストレスと活性酸素
10.2 乾燥ストレス
10.3 温度
10.4 塩ストレス
10.5 乾燥・塩ストレス,低温ストレス応答遺伝子発現ネットワークの制御機構
10.6 傷害(食害)応答
10.7 耐病性応答
10.8 まとめ

製品情報

製品名 エッセンシャル植物生理学 農学系のための基礎
著者名 著:牧野 周 著:渡辺 正夫 著:村井 耕二 著:榊原 均
発売日 2022年10月24日
価格 定価:3,520円(本体3,200円)
ISBN 978-4-06-529581-6
判型 B5
ページ数 272ページ

著者紹介

著:牧野 周(マキノ アマネ)

東北大学名誉教授。1985年東北大学より農学博士の学位を授与。イネを中心に光合成と窒素栄養の分子生理学から圃場レベルで作物としての生産性向上を目指す研究を進めている。専門は植物栄養学。
読者へのひと言:植物は人類の生存のための最も重要なパートナーです。今世紀中ごろには100億人に達する人類の食糧をこの狭い地球でどのように生産していくのか? 食糧増産のみならず自然との共生も農学を学ぶ私たちの最大の課題です。しっかり勉強してほしい。

著:渡辺 正夫(ワタナベ マサオ)

東北大学大学院生命科学研究科教授。1994年東北大学より博士(農学)の学位を授与。現在の研究は植物における受粉反応の分子メカニズムの解明,特にアブラナ科植物における自家不和合性の自他識別機構の解明。専門は植物遺伝育種学,植物生殖遺伝学。
読者へのひと言:植物生理学は作物が成長,開花,結実する現象を理解するための基礎・基盤です。本書で取り上げた内容を理解するためにも,自ら作物を栽培し,成長過程で何が起きているのかを実感することが重要です。また,周辺関連領域との領域横断的な研究があったからこそ,現在のようなこの分野の発展があったことを踏まえ,数物系,社会科学系などにも興味を持ち,本書をきっかけに広く植物科学への理解が深まることを期待しています。

著:村井 耕二(ムライ コウジ)

福井県立大学生物資源学部創造農学科教授。1992年京都大学より博士(農学)の学位を授与。コムギを中心にムギ類の花器官形成と花成(栄養成長から生殖成長への移行)の遺伝的メカニズムの研究を行っている。その成果をもとに,北陸地方の気象条件に適応したコムギ新品種‘福井県大3号(ふくこむぎ)’を開発し,農林水産省に品種登録した。現在,福井県内で100~200ヘクタール規模で栽培されており,これまで不可能であった北陸地方でのコムギの地産地消が実現されている。専門は植物遺伝育種学,植物発生遺伝学。
読者へのひと言:世の中は不思議に満ちています。本書で取り上げた内容も,常に,「え,どうしてそうなるん? なんで? 不思議だなあ?」という疑問をもって読み進めてください。いくらでも研究課題が見えてくるはずです。次に不思議の世界の扉を開けるのは,「あなた」です!

著:榊原 均(サカキバラ ヒトシ)

名古屋大学大学院生命農学研究科教授。1995年名古屋大学より博士(農学)の学位を授与。窒素栄養による植物成長促進とその最適化のしくみの解明を目指して研究を行っている。専門は植物生化学,植物分子生理学。
読者へのひと言:私たちは植物に囲まれて生活していますが,一見静的に見える植物の体の中では,動物に負けないくらい多様な代謝物質や情報がダイナミックにやりとりされており,複雑で精緻な機構の上に植物の成長が成り立っています。教科書に記述されているのはそのうちのごく一部であり,まだ解明されていない重要なしくみは山のようにあります。そのことを理解したうえで,本教科書から植物生理学のエッセンスを学んでください。

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