江戸の長屋を舞台に、当代を代表する作家たちが描いた、笑って泣ける人情絵巻。 新しいショートショートの世界をご堪能くださいませ。 江戸時代――。それは日本の歴史のなかでも稀有なほどに、 人と人が肩を寄せ合い、互いに助け合った時代。 そこには日本人の原風景ともいえる情緒が溢れていた。 長屋に集う住人たちの日常あれこれを、7人の名手が描く掌編競作。
仇討ち異聞 大江戸閻魔帳(八)
藤井 邦夫
お江戸日本は世界最高のワンダーランド
増田 悦佐
夜翔ぶ女
中井 英夫
夫には 殺し屋なのは内緒です
神楽坂 淳
日本橋本石町やさぐれ長屋
宇江佐 真理,加藤 愛子
攫い鬼 怪談飯屋古狸
輪渡 颯介
7分間でゾッとする7つの話
山口 タオ
かなりあ堂迷鳥草子3 夏塒
和久井 清水
雪渡の黒つぐみ
桜井 真城
乱れ坊主 公家武者信平ことはじめ(十一)
佐々木 裕一
江戸は浅草3 桃と桜
知野 みさき
悪貨 武商繚乱記(二)
上田 秀人
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい秘剣帖』、『姫は、三十一』『大名やくざ』、『占い同心 鬼堂民斎』などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。2015年、『耳袋秘帖』シリーズで第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。
1961年、大阪市出身。立命館大学卒業。松竹株式会社入社後、新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。1986年、南座「新必殺仕事人 女因幡小僧」で脚本家デビュー。以後、江科利夫、岡本さとるの筆名で、劇場勤務、演劇製作の傍ら脚本を執筆する。1992年、松竹退社。フリーとなり、脚本、演出を手がける。2010年、小説家デビュー、以来、「取次屋栄三」「剣客太平記」「居酒屋お夏」など人気シリーズを次々上梓。
1982年神奈川県逗子市生まれ。早稲田大学、同大学院修士課程卒。2016年に『お師匠さま、整いました!』で第11回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。『髪結百花』が第一回日本歴史時代作家協会賞を受賞。軽妙な筆致と立体的な人物造形が注目の若手女性作家。
1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。
1955年熊本県生まれ。放送作家、脚本家などを経て、'94年作家デビュー。時代小説で旺盛な活躍を見せる。犬連れの剣客を描いた「武者とゆく」シリーズをはじめ、「研ぎ師人情始末」「剣客船頭」「真・八州廻り浪人奉行」「酔いどれて候」など多数のシリーズをもつ。2020年、「隠密船頭」シリーズが第9回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。
兵庫県生まれ。お茶の水女子大学大学院理学研究科修士課程修了。2012年「朝の容花」で第24回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、『かおばな憑依帖』と改題してデビュー(文庫で『かおばな剣士妖夏伝 人の恋路を邪魔する怨霊』に改題)。その他の著書に『忍びのかすていら』『学園ゴーストバスターズ』『学園ゴーストバスターズ 夏のおもいで』『黒猫の夜におやすみ 神戸元町レンタルキャット事件帖』 『心花堂手習ごよみ』『損料屋見鬼控え』などがある。
1968年東京都文京区生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。大学時代より小説を書き始めるも、93年に某電機メーカーに入社。四〇代半ばにまた小説を書き出し、2017年『幕末ダウンタウン』で小説現代長編新人賞を受賞する。著書に『逃げろ、手志朗』『ぴりりと可楽!』『うかれ十郎兵衛』がある。