本書は「えほん世界のおはなし」シリーズの1冊として刊行された作品の新装版です。 リズムがよく端正な三木卓さんの文章と、軽やかさとユーモアを兼ね備えた西巻茅子さんの絵は、名作と呼ぶにふさわしい味わいがあります。 畑に植えた大きなかぶがなかなか抜けずに困っているおじいさんのもとへ、なんとか抜こうと次々とやってくるのですが……。繰り返しの妙が楽しく、子どもたちから長く愛されているものがたり。 他に「3びきの やぎくん」の物語もおさめられ、1冊で2つのお話が楽しめます。
三木卓(みき たく)1935年、静岡県出身。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業。1967年に詩集『東京午前三時』でH氏賞受賞。「鶸」で芥川賞、『ぽたぽた』で野間児童文芸賞、『小噺集』で芸術選奨文部大臣賞、『路地』で谷崎潤一郎賞、『裸足と貝殻』で読売文学賞、『北原白秋』で毎日芸術賞ほか受賞。2007年に恩賜賞・日本芸術院賞受賞。詩、小説、児童文学など幅広い分野で活躍。
西巻茅子(にしまき かやこ)1939年、東京生まれ。東京藝術大学美術学部工芸科卒業。学生時代からリトグラフ、エッチングを手がけ、日本版画協会展新人賞、同奨励賞受賞。『ちいさなきいろいかさ』(シナリオ/もりひさし)で第18回サンケイ児童出版文化賞、『えのすきなねこさん』で第18回講談社出版文化賞絵本賞受賞。『わたしのワンピース』は刊行から50年をこえ、長く愛され続けている。