学校近くのかすみ川でへんなものをみつけた。人間の赤ん坊ぐらいの大きさで、上半身が人間、下半身が魚……そう、それは人魚だった! ぼくは、友だちの千秋といっしょに、その人魚を大塚山の池でこっそり飼うことに。それから、人魚の「かすみ」と、ぼくたちの物語がはじまったが、かすみがとんでもない事件を引き起こしてしまった! 講談社児童文学新人賞作家が贈る、どこかかわいらしく、どこか不気味な人魚をめぐる、少年たちの友情の物語。
長谷川まりる(はせがわまりる)1989年、長野県生まれ、東京育ち。職業能力開発総合大学校東京校産業デザイン科卒。創作同人会「駒草」所属。「お絵かき禁止の国」で第59回講談社児童文学新人賞佳作を受賞、同作でデビュー。
吉田尚令(よしだひさのり)1971年、大阪府生まれ。イラストレーター。絵本や書籍の挿画などを手がける。 主な絵本に、『希望の牧場』(作:森絵都)、『パパのしごとはわるものです』(作:板橋雅弘)、『悪い本』(すべて岩崎書店)、『はるとあき』(作:斉藤倫 うきまる/ 小学館)、『星につたえて』(文:安東 みきえ/アリス館)、挿画に、「雨ふる本屋」シリーズ(作: 日向理恵子/童心社)などがある。