内容紹介
1988年、米国・カリフォルニア大学のとある研究室で、体長1ミリの「線虫」の寿命が、たった一つの遺伝子の変異によって大幅に延びた。世界初の寿命遺伝子「エイジ1」発見の瞬間だった。人類の究極の夢「不老長寿」は、遺伝子によってかなえられるのか? 世界の研究機関で「遺伝子ハンター」たちによる熾烈な遺伝子獲得競争が始まった。次々に見つかる寿命遺伝子たちによって明かされる「長寿のメカニズム」と、そこから見えてくる「老化」と「寿命」の驚くべき本質に迫る!
●「インスリン」を受容する遺伝子が欠損すると、線虫もヒトも長寿になる
●脳の「インスリン受容」を抑えたマウスは「認知症」になりにくく長寿化
●「老化脳」を守護する遺伝子が多く発現すると長寿になる
●ヒトではおよそ70歳のときに遺伝子の発現に逆転現象がみられる
●エネルギーの産生を「ゆっくり」にしたマウスは長寿化した
●たった一つの遺伝子の変異で急速な老化を引き起こす「プロジェリア」
●「赤ワインを飲むと長寿になる」説はどうなったのか
●イースター島の土からとれた薬剤は「夢の長寿薬」となるか
●百寿者の遺伝子はどうなっているのか
●酵母からヒトまでに共通する、寿命をコントロールする基盤がみえてきた
目次
- 第1章 老化 age-1 ライフヒストリー
- 第2章 寿命 daf-2 延びゆく命
- 第3章 遺伝 daf-16 つながるカスケード
- 第4章 疾患 win 急速に進む老い
- 第5章 悩脳 igf1r 長寿化を主導する組織
- 第6章 神経 rest 老化ニューロンの守護神
- 第7章 時間 clk-1 身体にひそむ暦
- 第8章 情報 shc ストレスと環境適応
- 第9章 受容 methuselah 長老の教え
- 第10章 修飾 sir-2 化粧する遺伝子
- 第11章 代謝 tor 代謝の目付け役
- 第12章 進化 見えてきた共通基盤
- 第13章 百寿 ライフスタシス
製品情報
製品名 | 寿命遺伝子 なぜ老いるのか 何が長寿を導くのか |
---|---|
著者名 | 著:森 望 |
発売日 | 2021年03月18日 |
価格 | 定価:1,100円(本体1,000円) |
ISBN | 978-4-06-522912-5 |
通巻番号 | 2166 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 272ページ |
シリーズ | ブルーバックス |
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