百合同人漫画の執筆に没頭する有希は、サークル「ゆゆゆり」の相方・由香に「好き」という言葉を伝えられずにいた。 即売会で初めて出会った時、由香の傍らには彼氏がいた。 やがて彼氏とは別れたけれど、由香がなぜ百合を描くのか、この気持ちを打ち明けても彼女は突き放さないでくれるのか、有希にはわからないままだった。 レズビアンの有希とヘテロセクシュアルの由香。 有希がその想いを隠すことで成立した、脆い関係の行き先はーーーー。 百合小説の、百合小説による、百合小説のための新たなる金字塔!
2020年に第2回百合文芸小説コンテストに投稿した「天体の回転について」がpixiv賞を受賞。詩的なイメージを貫流させながら切々とした感情生起を刻む文体で、読者を刮目させた。pixivに投稿していた同名の作品を改稿した本作が、デビュー作となる。
イラストレーター。装画を手がけた小説作品に『のうりん』(GA文庫/白鳥士郎)、『本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない!』(ダッシュエックス文庫/しめさば)など。百合レーベル 「girls×garden」による百合アンソロジーシリーズの装画も務める。