万葉ポピュリズムを斬る

マンヨウポピュリズムヲキル
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万葉ポピュリズムを斬る
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内容紹介

そこのけ、御用学者ども! 数ある便乗本よ、焼却炉の灰となれ。
「維新」「大戦」、そして「令和」――。
「『万葉集』には天皇から庶民の歌までが収められている」という虚構を、近代以降の国家権力は利用し続けてきた。

新しい年号は令和。出典は「国書」である万葉集――2019年に安倍首相が鼻高々に発表した直後、東京大学教授・品田悦一氏の「戦い」ははじまった。「令和」の典拠になった「梅花歌」序には、さらに中国漢籍の「典拠」がある。そこには、1300年前に大伴旅人が込めた、「権力の横暴を許すな」という反体制のメッセージがある。安倍首相はそれを知らないのだ、ということを明らかにした。品田氏の反論は、Twitterで一気に拡散し、全国紙にも取り上げられた。

だれが首相になっても変わらない!
われわれは踊らされてはいけない、ぼーっと生きててはいけないのだ。
天皇や貴族から庶民の歌まで載っている『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。令和という年号からわれわれが読み取らねばならないのは、なんなのか。

(本書のおもな内容)
●「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ
「令和」の典拠となった、大伴旅人の「梅花歌」序。京都を離れた太宰府で梅の花を愛でるという、歌の宴。「梅花歌」序は、中国漢籍を踏まえたもので、典拠に込められた「真意」までたどりついたとき、われわれは「令和」の本当の意味を知る。藤原氏の専横、長屋王の謀殺。中央政治の腐敗に対し、遠い太宰府から、大伴旅人は、どのようなメッセージを込めていたのか。まるで古代ミステリを読み解くようなスリリングな論理の知的興奮と同時に、現代人は旅人のメッセージを自分たちのものとして受け止めなければならないことを痛感する。
●「万葉ポピュリズム」を斬る
日本女子大で開かれた熱い講演を、大幅加筆修正して収録。『万葉集』を利用しようとする国家の作り上げた幻想を打ち砕き、さらには、「元号」「改元」という言葉の「怪しさ」を明らかにする。
一、「改元」というのは元号を改めることではないのだ、そもそも「元号」というのは変なことばなのだ。
二、『万葉集』には天皇や貴族の歌だけでなく、農民や防人の歌までが収録されていると言われることがあるが、それは大きな間違いである。
三、『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。

製品情報

製品名 万葉ポピュリズムを斬る
著者名 著:品田 悦一
発売日 2020年10月07日
価格 定価 : 本体1,800円(税別)
ISBN 978-4-06-520927-1
判型 四六
ページ数 218ページ
初出 『短歌研究』2019年5月号、7月号、2020年3月号・4月号、東京大学教養学部・編「知のフィールドガイド 分断された時代を生きる」(2017年8月、白水社)収録の文章を本書のために改稿。

著者紹介

著:品田 悦一(シナダ ヨシカズ)

一九五九年群馬県生まれ。東京大学人文科学研究科博士課程単位取得修了。聖心女子大学文 学部教授などを経て、現在東京大学教授(大学院総合文化研究科)。主要著作は、単著=『万葉集の発明 国民国家と文化装置としての古典』新曜社、二〇〇一年(上代文学会賞)。 『斎藤茂吉 あかあかと一本の道とほりたり』ミネルヴァ書房、二〇一〇年(斎藤茂吉短歌文学賞、 日本歌人クラブ評論賞)。『斎藤茂吉 異形の短歌』新潮社、二〇一四年(やまなし文学賞)。共著=『古典日本語の世界 漢字が作る日本』東京大学出版会、二〇〇七年。『古典日本語の世界 二 文字とことばのダイナミクス』東京大学出版会、二〇一一年。東京大学教養学部編『分断された時代を生きる』二〇一七年、白水社。編著=『鬼酣房先生かく語りき』二〇一五年、青磁社。『「国書」の 起源 近代日本の古典編成』二〇一九年、新曜社。

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