内容紹介
目次
■はじめに――時の流れとは
ニュートンの時間観/場の理論の台頭/本書は何を目標とするか/本書の構成
《第I部 現在のない世界》
■第1章 時間はどこにあるのか
原子スケールの現象と時間/時計で時を計る/尺度の起源/尺度を生み出す量子効果/大きさのない世界/現実世界における大きさの基準/時間の尺度を決める/時間の尺度と重力/重力による光の屈折/時間はどこにあるのか?/もう少し深く知りたい人のために――等価原理と時間の遅れ
■第2章 過去・現在・未来の区分は確実か
地球の運動とエーテルの風/電磁気学で公転運動が検出できるか/静止エーテルの謎/力学で公転運動が検出できるか/アインシュタインの相対性原理/人間的な法則・宇宙的な法則/マクスウェルの電磁気学/ローレンツの挑戦/運動に伴う時間のずれ/相対性原理と「現在」/拡がった時間と運動/もう少し深く知りたい人のために――時間のずれが必要な理由
■第3章 ウラシマ効果とは何か
回転しても変わらない世界/静止と運動の区別がない世界/ミンコフスキーの幾何学/座標系の同等性/ミンコフスキーが明らかにしたこと/時間と空間の界面/光速は(なぜか)不変である/ニュートリノの速度/運動する時計の遅れ/ウラシマ効果/時間と空間の計量/もう少し深く知りたい人のために――光速不変性は原理か
《第II部 時間の謎を解明する》
■第4章 時間はなぜ向きを持つか
熱の流れとエントロピー/エントロピーと秩序/ビッグバンのパラドクス/変化はビッグバンから始まる/恒星・惑星・海洋の形成/エントロピーは時に減少する?/エントロピーが減少できる条件/分子のヒートポンプ/時間の端緒としてのビッグバン/もう少し深く知りたい人のために――生命現象と物理法則
■第5章 「未来」は決定されているのか
ニュートン力学における未来の決まり方/確定しない初期条件/微分方程式とは異なる法則/量子論の波動性/量子論における歴史/二重スリット実験/干渉と脱干渉/世界線の座標/世界のはじめから終わりまで/もう少し深く知りたい人のために――脱干渉の曖昧さ
■第6章 タイムパラドクスは起きるか
タイムトラベルの方法/「ループする時間」という抜け道/時間ループのタイムパラドクス/ワームホールによる時間ループ/物理学者の発想法/パラドクスの起源/「親殺しのパラドクス」の解決/「万物理論のパラドクス」の解決/人間とタイムパラドクス/もう少し深く知りたい人のために――「存在」と「生成」の物理
■第7章 時間はなぜ流れる(ように感じられる)のか
時間は無意識下で再構成される/バッターがボールを打ち返せるわけ/捏造された意識内容/皮膚ウサギ効果/脳は時間に関して恐ろしく鈍い/過去と未来の非対称性/「時間の流れ」という錯覚/意識における構成要素の交代/意識の時間構造/「時間の流れ」の起源/もう少し深く知りたい人のために――意識と量子論
製品情報
製品名 | 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 |
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著者名 | 著:吉田 伸夫 |
発売日 | 2020年01月15日 |
価格 | 定価:1,100円(本体1,000円) |
ISBN | 978-4-06-518463-9 |
通巻番号 | 2124 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 240ページ |
シリーズ | ブルーバックス |