内容紹介
2019年10月6日「読売新聞」書評/坂井豊貴さん「人工知能は恐ろしい?」
2019年11月9日「朝日新聞」書評/呉座勇一さん「〈人〉か〈物〉か、二分法がゆらぐ」
「東洋経済」2019年11月23日号 書評/河野龍太郎さん「AIで雇用喪失は杞憂だが、疎外、所得偏在は加速か」
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この本は(…)人工知能技術の雇用・労働条件・生活に対するインパクトについて考察してみよう、というものではありません。むしろそこから一歩引いて、「我々は人工知能技術の発展が社会に、とりわけ労働に及ぼすインパクトについて考える際に、どのような知的道具立てを既に持っているのか?」を点検してみる、というところに、本書の眼目があります。――「はじめに」より
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AI(人工知能)が人間の仕事を奪う――これは「古くて新しい問題」です。
馬車は自動車になり、工場はオートメーション化される。
技術(テクノロジー)は、いつの時代も仕事を変えるのです。
では、AIのインパクトは、これまでの機械化と同じなのか、決定的に違うものなのか。
「労働」概念自体から振り返り、資本主義そのものへの影響まで射程に入れて検討します。
目次
はじめに
1 近代の労働観
労働とは何か
アダム・スミス
G・W・F・ヘーゲル
カール・マルクス(1) 疎外された労働
ジョン・ロック
カール・マルクス(2) 生産/コミュニケーション
カール・マルクス(3) 疎外の複層性
2 労働と雇用
雇用・請負・委任(1)
雇用の二極
資本主義と雇用
雇用・請負・委任(2)
リスクと労働
資本家の労働
労働と財産
産業社会論(1)
産業社会論(2)
3 機械、AIと雇用
AI化の前に
AIブーム概説
AIと生産現場の変化
経済学と機械――古くて新しい問題
労働市場の不完全性
物的資本と人的資本
コンピューター
技術変化・機械化の経済学
機械化・AI化と雇用
技能偏向型技術変化
4 機械、AIと疎外
疎外再び
資本主義と官僚制
物神性
物象化はそう悪くもない?
人工知能はどこまで新しいか
人工知能の「人間」化?
5 では何が問題なのか?
「人/物」二分法の解体
徳と身分
人と動物、動物としての人
AIと身分制
Internet of Things
第二の自然
人と動物の間、そしてAI
エピローグ AIと資本主義
AIと「資本主義と社会主義」
そもそも「資本主義」とは何か? を少し論じてみる
グローバリゼーションと情報通信革命
AIと資本
注
あとがき
製品情報
製品名 | AI時代の労働の哲学 |
---|---|
著者名 | 著:稲葉 振一郎 |
発売日 | 2019年09月12日 |
価格 | 定価 : 本体1,600円(税別) |
ISBN | 978-4-06-517180-6 |
通巻番号 | 711 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 224ページ |
シリーズ | 講談社選書メチエ |
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