中学二年生の淑子は、市営斎場の真ん前に建つ祖父母の店の手伝いをつづけていた。 ある日、父親の中学時代の同級生が急死、 クラスで一番うるさい男子も暴走族の親戚が事故で亡くなり、通夜が行われることになった。 やりきれない気持ちで暖簾をくぐる人たちがそっと伝えてくれる、あたたかくて大切なこと。 出会いと別れに寄り添うあたたかい味が沁み込む極上の物語。
©重松清