反骨の詩人金子光晴と妻・森三千代、息子・森乾が綴った詩を、光晴が手書きで私家製の詩集にまとめあげた、家族愛と戦争への嫌悪に満ちた、貴重な戦中詩集。 戦争よ。/破砕くな。/年月よ。/もつてゆくな。 父とチヤコとボコは/三つの点だ。/この三点を通る/三人は一緒にあそぶ。 (中略)三本の蝋燭の/一つも消やすまい。/からだをもつて互いに/風をまもらふ。(「三点」より)
金子光晴(1895~1975)詩人。詩集に『落下傘』『こがね蟲』『鮫』他、自伝・エッセイに『どくろ杯』『ねむれ巴里』『西ひがし』『絶望の精神史』『人間の悲劇』『女たちへのエレジー』他、翻訳に『フランドル遊記・ヴェルレーヌ詩集』『イリュミナシオン ランボオ詩集』他がある。
森三千代(1901~1977)作家。夫は詩人・金子光晴。小説作品に『巴里の宿』『豹』『おしろい花』『おもかげ』『あけぼの街』『小説和泉式部』他、旅行記に『新嘉坡の宿』『をんな旅』他、金子光晴との共著に『相棒 金子光晴・森三千代自選エッセイ集』がある。
森乾(1925~2000)フランス文学者。早稲田大学名誉教授。金子光晴と森三千代の子。著書に『父・金子光晴伝 夜の果てへの旅』がある。
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