内容紹介
陸上植物が生まれてから約5億年といわれるが、その長い時間、植物と病原菌は生死をかけた「果てしなき戦争」を繰り広げてきた。スパイさながらの防諜戦、大量破壊兵器とそれを迎撃するミサイル、感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」など、植物と病原体の分子レベルの闘いは、きわめてダイナミックである。本書では、そんな植物と病原菌の関係にフォーカスを合わせ、その驚くべき攻防の舞台裏を解説する。
序章 植物と病気と人間社会
第1章 植物の宿敵たち
第2章 植物病原菌はどうやって病気を起こすのか
第3章 植物はどうやって病気から自らの身を守るのか
第4章 植物と病原微生物のはてしなき「軍拡競争」
第5章 植物と微生物の寄生と共生をめぐる「共進化」
第6章 植物の病気から生まれた科学的な発見
執筆者(五十音順、括弧内は執筆担当部分を示す、略歴は2020年5月時点)
一瀬勇規(第3章 3─1、3─2)
岡山大学大学院環境生命科学研究科教授(遺伝子細胞工学)。専門分野は、植物病原細菌の病原性と植物の抵抗性研究
大島研郎(第6章)
法政大学生命科学部応用植物科学科教授(植物ゲノム医科学)。専門分野は、ファイトプラズマや植物病原細菌のゲノム解析および病原性メカニズムの研究
久保康之(第2章 2─2、あとがき)
摂南大学農学部教授(植物病理学)。専門分野は、植物病原糸状菌の感染器官形成や病原性の分子生物学研究
高野義孝(第3章 3─3、3─4)
京都大学大学院農学研究科教授(植物病理学)。専門分野は、植物病原糸状菌と植物の相互作用に関する研究
竹本大吾(第5章)
名古屋大学大学院生命農学研究科准教授(植物病理学)。専門分野は、植物の病害抵抗性機構、植物共生糸状菌の共生確立機構、病原糸状菌の病原性機構などの研究
柘植尚志(第2章 2─1)
中部大学応用生物学部教授。専門分野は、糸状菌の植物に感染する能力(病原性)とその進化に関する研究
中屋敷均(まえがき、序章、第1章、コラム)
神戸大学大学院農学研究科教授(細胞機能構造学)。専門分野は、植物や糸状菌を材料にした染色体外因子(ウイルスやトランスポゾン)の研究
増田税(第4章 4─2、第4章 コラム)
北海道大学大学院農学研究院教授(植物病原学)。専門分野は、植物とウイルスの相互作用に関わるエピジェネティクス制御の研究
吉田健太郎(第4章 4─1)
神戸大学大学院農学研究科准教授(植物遺伝学)。専門分野は、植物と病原糸状菌の相互作用における分子機構と進化の研究
目次
- 植物と病気と人間社会
- 植物の宿敵たち
- 植物病原菌はどうやって病気を起こすのか
- 植物はどうやって病気から自らの身を守るのか
- 植物と病原微生物のはしてなき「軍拡競争」
- 植物と微生物の寄生と共生をめぐる「共進化」
- 植物の病気から生まれた科学的な発見
製品情報
製品名 | 植物たちの戦争 病原体との5億年サバイバルレース |
---|---|
著者名 | 著・編:日本植物病理学会 |
発売日 | 2019年03月13日 |
価格 | 定価 : 本体1,000円(税別) |
ISBN | 978-4-06-515216-4 |
通巻番号 | 2088 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 264ページ |
シリーズ | ブルーバックス |
おすすめの本
-
電子あり
新版 ビギナーのための微生物実験ラボガイド
-
電子あり
カラー図解 分子レベルで見た体のはたらき いのちを支えるタンパク質を視る
-
電子のみ
「ウイルス三部作」合本版:『新しいウイルス入門』『巨大ウイルスと第4のドメイン』『生物はウイルスが進化させた』
-
電子あり
核酸科学ハンドブック
-
電子あり
たたかう免疫 人体VSウイルス真の主役
-
講談社版 2021お料理家計簿
-
はじめてのずかん どうぶつ
-
潰瘍性大腸炎・クローン病がよくわかる本
-
電子あり
免疫力を上げる健美腸ルール ウイルスや菌に負けない体をつくる
-
電子あり
ナムル100
-
電子あり
人は「腸」で若返る。 健康寿命を延ばす「不老」の免疫学
-
電子あり
病気にならない「腸」能力の引き出し方