迷宮から得られるアイテムを求めて多くの探索者たちが迷宮に潜り、そのうち3割から4割は潜ったまま帰ってこなくなる。主人公のケンはそんな世界に流れついて早5年。安全マージンを十分とって慎重に慎重を重ねる彼なりの探索スタイルを確立し、堅実な探索者生活を送っていた。
だがやはり現在よりも収入は増やしたい。迷宮内での移動に費やす時間を短くすれば、狩れる獲物も多くなり必然的に年収も上がる。<転移>門を使えばワープで大幅な時間短縮ができるのだが、ケンにとって門番のロック・ゴーレムの存在がネックとなっていた。
そんなある日、幸運にも貴重なアイテムが入った宝箱を発見する。ケンは考える。
「宝箱の中から出てきた物をどう利用してやろうかーー」。
迷宮産の貴重なアイテムを前にして、彼がとった選択は、たしかに筋は通っているものの、ちょっと驚くようなものだった。
その選択をきっかけとして、長い間ずっと代わり映えのしなかったケンの周囲を取り巻く状況がゆるやかに、だが確実に変化を始める。
本書では
プロローグ
第一章 迷宮都市
第二章 マイホーム
第三章 こんにちは、世界
第四章 将来設計
第五章 探索者パーティ”秩序の剣”
第六章 条件交渉
第七章 食い違い
第八章 パーティ参加
第九章 迷宮探索
第十章 非日常
第十一章 異常事態
第十二章 日常への回帰
エピローグ
を収録。
身の丈に合った能力で最大限のリターンを確保する探索者ケンの生きざまは、きっと貴方の心に響くはず!
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