カインが香港のオークション会場で思わぬ再会を果たした旧友ウィリアム・グランディ、彼は数年の間に、英国を代表するテクノロジー企業N5社(ノーベンバー・フィフス)の社長となっていた。汎用型量子コンピュータを用いたAI・ソロモンを爆発的に普及させつつあるウィリアムから持ちかけられたのは、“自分が自分に殺された時のための保険”……。
イートン校時代の陰鬱な日本人サエキ・ケイ(カイン)、そして永遠に喪われた恋人・イライザ――過去と現在が交錯し、それは未来を破滅に陥れる世界保険計画(ワールド・インシュランス)として発動する。わずかな遺った生命の灯火を燃やし尽くし、カインはベティの手を取る。それは、過去との決別でも、ましてや贖罪でもない。すべては、“最高の誠意”のために――。新・星雲賞作家が放つ新たなる代表作、ここに堂々完結!
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