空前の大ヒット映画『カメラを止めるな!』監督・上田慎一郎が24歳の時に出版された唯一の小説作品、待望の新装版刊行! 新たに著者による「あとがき」収録。 18歳の女子高生・今井あやねに突然訪れた、父親の死。 その死をきっかけに、彼女の日常に数々の不思議が舞い込む。 公園で穴を掘る厄年の営業マン、 トマトを握り潰しあいながらキスをする恋人たち、 炊飯器を担いで走るマラソンランナーたち――。 “いつも”からちょっぴりずれた3センチ隣の世界で、彼女の小さな冒険の日々がはじまる。
1984年4月7日、滋賀県出身。映画監督。中学生の頃から自主映画を制作し、高校卒業後も独学で映画を学ぶ。 2010年、映画製作団体PANPOKOPINA(パンポコピーナ)を結成。2017年までに8本の映画を監督し、国内外の映画祭で20のグランプリを含む46冠を獲得する。初の劇場用長編映画となった『カメラを止めるな!』(2017年)は、都内2館から全国300館以上に拡大される異例の大ヒットを記録した。本作『ドーナツの穴の向こう側』の原案は小学校からの同級生、吉田大輔と共に考案。表紙・章扉の絵は弟・上田悠二が担当している。本書は著者が24歳の時、2008年に出版されたものにあとがきをくわえた新装版。