引っ込み事案な美月は高校に入学しても、クラスに馴染めないでいた。学校には「イケメン四天王」と呼ばれるバスケ部員がいるが、ほかの女の子が騒ぐのを横目にアルバイトのカフェへ急ぐ日々。ところが「四天王」のひとりが突然、バイト先に告白にあらわれた!「何か大事なものが一つあれば強くなれるよ」小さいころバスケットコートでやさしく声をかけてくれた、あやちゃんの一言を胸に秘めながら、美月はすこしずつ変わっていく。
1985年名古屋市生まれ。愛知県立大学外国語学部中国学科在学中より小説を書き始める。卒業後、工作機械メーカーに勤務した後、建築デザインを学びながら執筆を続け、2014年『小旋風の夢絃』で第9回小説現代長編新人賞を受賞しデビューする。