ローマからゲルマン諸族へと地中海に展開した古代文明。イスラームの侵入による「停滞の中世」のなかで都市と商業はいかに生まれたか
歴史的世界としてのヨーロッパの生成を自らの学問の中心テーマに据えた、二十世紀を代表するベルギー生まれの中世史家アンリ・ピレンヌ。本書では「中世都市」の来歴がみずみずしく語られる。
地中海を内に抱く古代ローマ世界の枠組みはゲルマン諸族の侵入でも維持されたかに見えたが、イスラーム勢力の地中海侵出により衰頽し、変容していく。そんな停滞のなかいつ「商人階層」が登場し、どのように都市と都市民が生まれてきたのか。遺された細かな史料にいたるまで渉猟し、一貫した問題意識から描かれた中世都市成立史の不朽の名著。
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