第2次世界大戦のさなか、リトアニアの日本領事館の領事代理になった杉原千畝。ナチスによるユダヤ人迫害がひどくなる1940年の夏、日本経由で新しい土地に逃れようと、ビザを求めるユダヤ人たちが領事館に詰めかけます。千畝は悩んだ末、日本政府の方針に反し、日本通過のビザを発給し、六千人のユダヤ人の命を救いました。きびしい戦争の時代を、信念と決断力をもち命の大切さを最優先にして生きたひとりの日本人の物語です。
日本人が世界に誇れる日本人として注目を集めている杉原千畝。彼の業績を知っている人は多いと思いますが、偉業を成し遂げるまでの苦悩やそのために払った犠牲はあまり知られていないのではないでしょうか。どんな困難にあってもあきらめずに自分の信じた道を進んだ千畝の生き方は、いまを生きる、そして未来を生きる読者をはげまし、勇気を与えることができるのではないかと思います。
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