内容紹介
4000年前、アナトリアで発明された鉄ほど人類の社会と文明に影響を与えた物質はない。温度計もない時代に、どのように鉄を作ったのだろうか? 鋼、玉鋼、錬鉄、銑鉄、溶鉱炉、転炉、平炉、反射炉──アナトリアの最古の製鉄から現代の製鉄法、さらに日本固有の「たたら製鉄」も紹介しながら、鉄作りの秘密に迫る。
鋼、玉鋼、錬鉄、銑鉄、溶鉱炉、転炉、平炉、反射炉、たたら……
古代から現代までの製鉄法と、その技術を探る。
人類が鉄を作り始めて4000年。「鉄」ほど人類の社会と文明に影響を与えた物質はない。温度計もない時代に、どのように鉄を作ったのだろうか?
「鉄鉱石を炉に入れ加熱すれば、鉄は自然にできてくる」というわけではない。鉄鉱石から鉄を作るには、厳密に温度を管理し、含まれる炭素の量をコントロールし、リンやイオウなどの不純物が混ざらないようにしなければならない。温度計すらない時代から、鉄を作ってきた人々は、それらをどのように知り、何を目安に鉄を作ってきたのだろうか。
アナトリアの最古の製鉄から現代の製鉄法、さらに日本固有の「たたら製鉄」の技術を解説しながら、鉄づくりの秘密に迫る。
目次
- はじめに
- 第1章 古代人になって鉄を作ってみよう
- 第2章 「鉄を作る」とはどういうことか
- 第3章 製鉄法の発見
- 第4章 ルッペの製造
- 第5章 最古の高炉遺跡――ラピタン
- 第6章 古代・前近代のルッペの製造炉
- 第7章 溶鉱炉の発展
- 第8章 精錬炉の発展
- 第9章 鋼の時代
- 第10章 たたら製鉄のユニークな工夫
- 第11章 脱炭と軟鉄の製造
- 第12章 鉄のリサイクルと再溶解
- 第13章 銑鉄の溶解と鋳金
- 第14章 鍛冶屋のわざ
- 第15章 「沸き花」の正体
- 第16章 和鉄はなぜ錆びないか
- 第17章 なぜルッペや和鉄の不純物は少ないか
- 第18章 インドの鉄柱はどのように作ったか
- 第19章 製鉄法の未来
- おわりに
製品情報
製品名 | 人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理 |
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著者名 | 著:永田 和宏 |
発売日 | 2017年05月17日 |
価格 | 定価 : 本体1,000円(税別) |
ISBN | 978-4-06-502017-3 |
通巻番号 | 2017 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 260ページ |
シリーズ | ブルーバックス |