男を青春時代に戻してくれる、伝説の娼婦がいるという。「わたしを買ってくれませんか?」――透き通るように白い肌、吸い込まれそうに深い瞳、まるくやわらかな声。伝説の娼婦なぎさは、自分を本当に必要とする客の前だけに現れる。甘美な時間の合間に男が見るのは、あまりにもリアルな、青春時代の自分と女性たちとの夢。性の哀しさと愛おしさ、生きることの尊さを描き、かつてなく深い余韻を残す傑作官能小説。