東京オリンピックを間近に控えた1963年、東京下町で起きた「吉展ちゃん誘拐事件」の真相に追るノンフィクション。犯人を取り逃がした警察の失態と捜査の混乱、悲惨な結末を、優れた取材力をもとに描き出すが、著者の視線は犯人・小原保に注がれる。東北の貧しい村の五男として生まれた男が、上京し時計屋で職を得ながら、なぜ誘拐・殺人犯となったのか。丹念な取材と分析によって犯人の不幸な半生と時代背景を明らかにしていく
邪魔 上下合本版
奥田 英朗
草の陰刻 新装版(上)
松本 清張
渡世人 大江戸閻魔帳(三)
藤井 邦夫
病弱探偵 謎は彼女の特効薬
岡崎 琢磨
台湾の歴史
若林 正丈
失踪
高木 彬光
予測不能ショートストーリーズ 部活動編
にかいどう 青,タダノ なつ
激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972
池上 彰,佐藤 優
透析を止めた日
堀川 惠子
こちら横浜ポートシティ不動産
右手 盛賢富
坂田家の四季
鳴山 草平
クローゼットファイル 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介
川瀬 七緒
1933年、旧朝鮮・京城生まれ。早稲田大学政治経済学部新聞学科を卒業後、55年に読売新聞社入社。社会部記者、ニューヨーク特派員などとして活躍。とくに精力を傾けた「『黄色い血』追放キャンペーン」では、日本の献血制度確立に多大な貢献を果たす。71年に退社し、フリーのノンフィクション作家となる。84年には、先輩記者・立松和博氏が検察内部の権力闘争に巻き込まれて逮捕され、新聞社が弱体化し変質してゆく姿を描いた『不当逮捕』で、講談社ノンフィクション賞を受賞する。主な作品に『誘拐』『私戦』『村が消えた』『疵 花形敬とその時代』『我、拗ね者として生涯を閉ず』など。2004年12月、多臓器不全のため死亡。享年71