「メトロもない。カフェ・テラスもない。ないといえば、ほとんどのものがない、いわば非文明圏」の南の島トンガで、一ヵ月暮らしてまとめた紀行文。「旅行者は、すべての人によって歓迎を受ける。彼が道を行くとき、それが食事時であれば、通りかかる家ごとに声をかけられるはずである。『ご飯を食べていかないか?』と」。著者はこう書いて、文明とは何なのかと考え込む。つまり、この本は何でもある日本への警告文でもあるのだ。
戦後の巨星 二十四の物語 本田靖春全作品集
本田 靖春
絶望の国の幸福な若者たち
古市 憲寿
レッドマーケット 人体部品産業の真実
スコット・カーニー,二宮 千寿子
憲法という希望
木村 草太,国谷 裕子
異邦の仔
西川 司
明日、機械がヒトになる ルポ最新科学
海猫沢 めろん
拗ね者たらん 本田靖春 人と作品
後藤 正治
親の家のたたみ方
三星 雅人
誰がこれからのアニメをつくるのか? 中国資本とネット配信が起こす静かな革命
数土 直志
Yの悲劇 独裁者が支配する巨大新聞社に未来はあるか
清武 英利,魚住 昭
マル上司、バツ上司 なぜ上司になると自分が見えなくなるのか
ロバート・I・サットン,矢口 誠
愛国とノーサイド 松任谷家と頭山家
延江 浩
1933年、旧朝鮮・京城生まれ。早稲田大学政治経済学部新聞学科を卒業後、55年に読売新聞社入社。社会部記者、ニューヨーク特派員などとして活躍。とくに精力を傾けた「『黄色い血』追放キャンペーン」では、日本の献血制度確立に多大な貢献を果たす。71年に退社し、フリーのノンフィクション作家となる。84年には、先輩記者・立松和博氏が検察内部の権力闘争に巻き込まれて逮捕され、新聞社が弱体化し変質してゆく姿を描いた『不当逮捕』で、講談社ノンフィクション賞を受賞する。主な作品に『誘拐』『私戦』『村が消えた』『疵 花形敬とその時代』『我、拗ね者として生涯を閉ず』など。2004年12月、多臓器不全のため死亡。享年71