日本の代表的な名門一族を三代遡って採り上げ、明治・大正・昭和期の100年間の一家と社会の変化を描いた作品。美濃部亮吉一家、湯川秀樹一家、美空ひばり一家、西園寺公一一家、羽仁五郎一家、徳川十一家族、旧皇族十一家族などの「セレブ」が対象とされている、この書籍は『文藝春秋』(1972年~73年)に連載された「現代家系論」をまとめたものであり、著者にとっては読売新聞を辞めて初めて書いた本ということになる。
1933年、旧朝鮮・京城生まれ。早稲田大学政治経済学部新聞学科を卒業後、55年に読売新聞社入社。社会部記者、ニューヨーク特派員などとして活躍。とくに精力を傾けた「『黄色い血』追放キャンペーン」では、日本の献血制度確立に多大な貢献を果たす。71年に退社し、フリーのノンフィクション作家となる。84年には、先輩記者・立松和博氏が検察内部の権力闘争に巻き込まれて逮捕され、新聞社が弱体化し変質してゆく姿を描いた『不当逮捕』で、講談社ノンフィクション賞を受賞する。主な作品に『誘拐』『私戦』『村が消えた』『疵 花形敬とその時代』『我、拗ね者として生涯を閉ず』など。2004年12月、多臓器不全のため死亡。享年71