内容紹介
二十八歳で結核を発症し、三十五歳で逝った正岡子規。脊髄カリエスによる激しい痛みに堪えながら、新時代の言語表現を追求する彼の病床には、漱石・虚子ら多くの友が集った。そしてその濃密な晩年は、現代日本語の書き言葉を完成させる道程でもあった。命尽きるまで情熱を燃やした子規の功績を辿る、近代日本文学史の労作。
子規の表現欲、旧文芸に対する改革欲、「親分」欲、「座」を主宰することへの演劇的情熱、そして食欲、どれをとっても病臥後のほうがはっきりしているし、またはなはだしいのである。子規の本領は、その早すぎた晩年のほうにある。
――「あとがき」より――
目次
- 序章 ベースボールの歌
- 明治二十八年
- 明治二十九年
- 明治三十年
- 明治三十一年
- 明治三十二年
- 明治三十三年
- 明治三十四年
- 明治三十五年
- 終章 「子規山脈」その後
- あとがき
- 参考文献一覧
製品情報
製品名 | 子規、最後の八年 |
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著者名 | 著:関川 夏央 |
発売日 | 2015年04月15日 |
価格 | 定価 : 本体950円(税別) |
ISBN | 978-4-06-293080-2 |
判型 | A6 |
ページ数 | 528ページ |
シリーズ | 講談社文庫 |
初出 | 「短歌研究」2007年1月号~2010年7月号。2011年3月に講談社より単行本として刊行されました。 |