内容紹介
日本倫理学会「和辻賞」受賞の力作。近世の庶民的な仏教思想を背景におきながら、死と霊魂について篤胤が展開した思想を、詳しく、繊細に読み解いた、画期的な著作、ついに文庫化!
私たちは死んだらどうなるのか。二百年前、誰もが抱くこの問いに解決を与えようとした思想家こそ、平田篤胤である。
篤胤は主著『霊の真柱』で、自らの学問の目的は「真道」を知ることである、という。そして、「真道」を知るためには、「霊の行方の安定」を知ることが先決だというのである。
つまり、人は死後、霊(霊魂)になる。その霊のゆくえを知ることこそ、かれの学問だったのだ。
江戸末期の思想家のそのような思考が、日本の近代に大きな影響を与えている。
複雑怪奇な篤胤の思想の本質を明解に分析する快著。
目次
- 第一章 篤胤の抱えた問い
- 第二章 神へ――問いの具体化
- 第三章 『新鬼神論』――死んだら霊魂になる
- 第四章 近世庶民仏教と『出定笑語』
- 第五章 『霊の真柱』――霊魂のゆくえ
- 終章 近代へ
製品情報
製品名 | 再発見 日本の哲学 平田篤胤 霊魂のゆくえ |
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著者名 | 著:吉田 真樹 |
発売日 | 2017年01月12日 |
価格 | 定価 : 本体1,080円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292398-9 |
通巻番号 | 2398 |
判型 | A6 |
ページ数 | 328ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書の原本は、菅野覚明・熊野純彦責任編集「再発見 日本の哲学」の一冊として、2009年、小社より刊行されました。 |