内容紹介
「地獄」と「極楽」を対立するものとする概念は、インド思想や一般仏教にはなく、日本独自のものである。日本人の宗教観の基層ともいえるのその考え方が日本に定着するのには、平安時代中期の僧・源信が著した『往生要集』の影響をぬきに語ることはできない。。
膨大な仏教経典や経文、論書を博捜して極楽往生に関する重要な文章を集成し念仏を勧める『往生要集』が示す浄土思想は、源流のインドの浄土教からどのように発展し、また歪曲されていったのか。
斯界の碩学が、インド仏教の原典と『往生要集』に綴られた源信の思想を徹底的に比較検討、独自の視点から日本浄土教の根源と特質に迫った、日本仏教を考えるうえで必読の一冊。
目次
- 第一章 厭離穢土
- 第二章 欣求浄土
- 第三章 極楽の証拠
- 第四章 正修念仏
- 第五章 助念の方法
- 第六章 別時念仏
- 第七章 念仏の利益
- 第八章 念仏の証拠
- 第九章 往生の諸行
- 第十章 問答料簡
- 結語 『往生要集』に対する評価
製品情報
製品名 | 往生要集を読む |
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著者名 | 著:中村 元 |
発売日 | 2013年10月11日 |
価格 | 定価 : 本体1,110円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292197-8 |
通巻番号 | 2197 |
判型 | A6 |
ページ数 | 288ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 1983年5月、岩波書店より「古典を読む」シリーズ第五巻「往生要集」として刊行され、1996年9月には「同時代ライブラリー」として同社より再度刊行された。 |