内容紹介
日本の近代史においては、文学者や文芸批評家が、思想の中心的な担い手となってきた。もちろん、広く影響力をもった哲学者もいるが、近代日本思想の影響力の中心につねに文学があったのは、なぜなのか。吉本隆明、柄谷行人、三島由紀夫、丸山眞男、埴谷雄高など、文学と哲学が交錯する地点でその思想の特質を再検証する、注目の社会学者の力作論考。(講談社学術文庫)
吉本隆明、柄谷行人、廣松渉、丸山眞男……
夏目漱石、宮沢賢治、三島由紀夫、村上春樹……
彼らの思想が交錯するところに日本の近代を見通す快著!!
日本の近代史においては、文学者や文芸批評家が、思想の中心的な担い手となってきた。もちろん、広く影響力をもった哲学者もいるが、近代日本思想の影響力の中心につねに文学があったのは、なぜなのか。吉本隆明、柄谷行人、三島由紀夫、丸山眞男、埴谷雄高など、文学と哲学が交錯する地点でその思想の特質を再検証する、注目の社会学者の力作論考。
※本書は、2005年、紀伊國屋書店より刊行された『思想のケミストリー』に、『<不気味なもの>の政治学』(新書館、2000年)所収論文二編を追加し、改題し、再編集したものです。
目次
- まえがきに代えて 哲学と文学を横断すること
- 1
- <ポストモダニスト>吉本隆明
- 柄谷行人、予言の呪縛
- 原罪論――廣松渉とともに
- 掙扎の無思想――竹内好のナショナリズム
- 丸山眞男ファシズム論のネガ
- トカトントンをふりはらう――丸山眞男と太宰治
- 2
- 明治の精神と心の自律性――漱石『こゝろ』講義
- 啄木を通した9・11以降――「時代閉塞」とは何か
- ブルカニロ博士の消滅――賢治・大乗仏教・ファシズム
- 三島由紀夫、転生の破綻――『金閣寺』と『豊饒の海』
- 男はなぜ幼子を抱いたのか――埴谷雄高『死霊』論
- 村上春樹『アンダーグラウンド』は何を見ようとしたのか
- 世界を見る眼――村上春樹『アフターダーク』を読む
- 3
- 巫女の視点に立つこと
- まれびと考――折口信夫『死者の書』から
- 原本あとがき
製品情報
製品名 | 近代日本思想の肖像 |
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著者名 | 著:大澤 真幸 |
発売日 | 2012年03月13日 |
価格 | 定価 : 本体1,100円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292099-5 |
通巻番号 | 2099 |
判型 | A6 |
ページ数 | 368ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 2005年、紀伊國屋書店より刊行された「思想のケミストリー」に「<不気味なもの>の政治学」(新書館、2000年)所収論文二編を追加し、改題し、再編集したもの。 |