破滅型から第三の新人へ、現代に繋いだ「私小説」を読み解く。
いわゆる「私小説」への批判に対して、多くの愛着をもった読者は、その世界の中に迷い込み、取り付かれ、魅せられていった。
藤枝静男・大岡昇平・島尾敏雄・水上勉・安岡章太郎・庄野潤三・遠藤周作・吉行淳之介・田中小実昌・三浦哲郎・高井有一の名短篇に加えて、中村光夫と水上勉による対談解説「私小説の系譜」収録。
<収録作品>
藤枝静男 「私々小説」
大岡昇平 「歩哨の眼について」
島尾敏雄 「家の中」
水上 勉 「寺泊」
安岡章太郎 「陰気な愉しみ」
庄野潤三「小えびの群れ」
遠藤周作 「男と九官鳥」
吉行淳之介 「食卓の光景」
田中小実昌 「魚撃ち」
三浦哲郎 「拳銃」
高井有一 「仙石原」
※本書に入っている作品は、すべて『私小説名作選』(集英社文庫・1980年刊)を底本といたしました。
+ もっとみる