内容紹介
父方の祖母が生きた江戸の末期。文学・演劇・音曲等々……。幼い頃から様々な話をとりとめなく聞いて育った著者の心に染み込んだ鮮烈な感覚は、滝沢馬琴、河竹黙阿弥、上田秋成、近松門左衛門等を語るその語り口に彷彿とする。殊に秋成の<夢幻と現>の間を描写する文体への言及は、円地文学の根源に呼応。祖母から聞き覚えた沢山の話を鏤め、愛情込めて綴る絶品の江戸文学案内書。
著者を育んだ江戸文学への愛情溢れる入門書。明治生まれの著者にとり、江戸は祖父母が生きた時代。幼い心に自然に沁みこみ血肉となった馬琴や南北等、江戸文学のあれこれを深い造詣と愛情を込めて綴る名随筆。
目次
- ももんがあ
- 馬琴雑記
- 一九・三馬・川柳
- 四世鶴屋南北〔江戸歌舞伎 一〕
- 河竹黙阿弥〔江戸歌舞伎 二〕
- 平賀源内の「根無草」
- 上田秋成
- 近松門左衛門
- 結び──俳句のことなど
製品情報
製品名 | 江戸文学問わず語り |
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著者名 | 著:円地 文子 |
発売日 | 2009年01月11日 |
価格 | 定価 : 本体1,400円(税別) |
ISBN | 978-4-06-290037-9 |
判型 | A6 |
ページ数 | 288ページ |
シリーズ | 講談社文芸文庫 |
初出 | 筑摩書房刊「江戸文学問わず語り」(1992年8月 ちくま文庫)を底本とし、多少ふりがなを加えた。本文中明らかな誤植と思われる箇所は正したが、原則として底本に従った。 |