内容紹介
呉服についての便利屋であり、染色の仲介業者でもある「悉皆屋」の康吉は、職人としての良心に徹することで、自らを芸術家と恃むようになる。大衆の消費生活が拡大する大正モダニズム期には、華美で軽佻な嗜好を嫌い、ニ・ニ六事件の近づく昭和前期には、時代の黒い影を誰よりも逸早く捉える男でもあった。著者が戦時下に書き継ぎ、芸術的良心を守った昭和文学史上の金字塔と評される名作。
目次
- 巻の壱
- 巻の弐
- 巻の参
- 巻の四
- 巻の五
- 巻の六
- 巻の七
- 巻の八
製品情報
製品名 | 悉皆屋康吉 |
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著者名 | 著:舟橋 聖一 |
発売日 | 2008年06月12日 |
価格 | 定価 : 本体1,300円(税別) |
ISBN | 978-4-06-290016-4 |
判型 | A6 |
ページ数 | 320ページ |
シリーズ | 講談社文芸文庫 |
初出 | 「舟橋聖一選集」第2巻(新潮社刊)1969年4月を底本とし、明らかな誤植と思われる箇所は正したが、原則として底本に従った。底本にある表現で、今日からみれば不適切と思われる表現は、作品が書かれた時代背景、著者が故人であることなどを考慮し、底本のままとした。 |