麗郷大陸の北の果てに生まれながらにして特殊な能力を持っている「式使」が暮らす集落、「式霊の杜」がある。彼らは「式」の力をもって、大陸を統べてきた覇王にその力を貸していた。 式霊の杜の幼なじみの張良と西緒が式使という運命に翻弄されながらもお互いを求めあっていく愛と戦いを描いたファンタジー。
悠久の時の彼方、麗郷大陸の北の果てに生まれながらにして特殊な能力を持っている「式使」が暮らす集落、「式霊の杜」がある。彼らは「式」の力をもって、麗郷大陸を統べてきた覇王にその力を貸していた。
幼馴染である西緒と張良は、式霊の杜の出身である。秦の始皇帝により、滅ぼされたかに思えた「式霊の杜」だったが、式使たちは身を潜めて、大陸の各地で生活していた。
物語は、始皇帝の軍に式霊の杜を追われた時のショックで記憶をなくした張良と、各地を転々と旅する西緒が再会するところから始まる。
再会も束の間、張良は式霊の杜のことはもちろん、西緒のことまでも忘れていた。そんな時、式使であり、大陸の王になろうと目論んでいる楚の范増に、2人は見つかってしまう。
張良を追っ手から守るため、西緒は忌むべきものとされる「邪瞳」の力を使う。
全身にあふれ出す殺人への衝動と渇望。
愉悦の表情の中、西緒は敵を殺していく。
辛くも、逃げ切った2人は、范増の目論見を阻止すべく、楚とは敵対国にある周へと向かう。
周・楚・斉。
三つの国がひしめき合う戦国で、西緒と張良は戦いの中で絆を深めていく。
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