母親を亡くした5歳から14歳までの7人の子どもたちの母親となったマリアは、家族で、トラップ・ファミリー聖歌隊を作りました。ザルツブルグ音楽祭で優勝し、有名になった一家は、ヒトラーの誕生日に歌うことを強要され……。映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、本当にあったお話がもとになっています。これは、ナチから逃れ、愛するオーストリアからの亡命を決めたトラップ一家の物語です
第一次世界大戦後のオーストリア、ザルツブルグ。
ノンベルク修道院の修練女だった20歳のマリアは、家庭教師として、トラップ家に雇われることに。
明るく、音楽が大好きなマリアは、母親を亡くした、5歳から14歳までの7人の子どもたちと、たちまち仲良くなりました。
修道院に戻る時期が近づいたある日、マリアは、トラップ大佐に結婚を申し込まれ、7人の子どもたちの本当の母親になりました。
1933年、幸せな一家を世界恐慌が襲います。一家の全財産を預かる銀行が破綻してしまうのです。
貧しい生活のなかでも音楽を楽しむマリアと子どもたちは、トラップ・ファミリー聖歌隊を作り、一回限り、と出演したザルツブルグ音楽祭で優勝。ヨーロッパを演奏旅行するほどに有名な存在になります。
1938年3月、ナチの軍隊がオーストリアを併合、町じゅうに、ハーケンクロイツの旗が掲げられました。
オーストリアを愛するトラップ大佐は、ナチの旗を掲げることを敢然と拒否、ナチから申し出のあった、ドイツ軍の潜水艦の艦長職も断ってしまったのです。
さらに、名声高まったトラップ一家は、ヒトラーの誕生日に歌うことまで強要され……。
有名な映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、本当にあったお話がもとになっています。
これは、愛する祖国オーストリアからの亡命を決めた、トラップ一家の愛と勇気の物語です。
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