おじいさんの家で過ごした日々。それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。ぼくは時おり、あの頃のことを丁寧に思い出す。ぼくはいつだって戻ることができる。あの、はじまりの夏に――。自分の毎日が、はじめて意味を持ったものとなる、「人生のはじまり」の季節をむかえた主人公の夏休みの日々を描いた感動作。野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞。中学入試問題にも採用多数。
1970年生まれ。神奈川県小田原市在住。2001年、『十二歳』で第42回講談社児童文学新人賞を受賞し'02年にデビュー。『しずかな日々』で'07年に第45回野間児童文芸賞、'08年に第23回坪田譲治文学賞をダブル受賞。他の著書に『恋愛小説』『シロシロクビハダ』(ともに講談社)、『その青の、その先の、』(幻冬舎)、『消えてなくなっても』(KADOKAWA)、『坂道の向こう』『みきわめ検定』『枝つき干し葡萄とワイングラス』『ガミガミ女とスーダラ男』『市立第二中学校2年C組10月19日月曜日』(以上講談社文庫)、『るり姉』(双葉文庫)、『かっこうの親 もずの子ども』(実業之日本社)、『どんまいっ!』(幻冬舎文庫)、『フリン』(角川文庫)、『ダリアの笑顔』(光文社文庫)など多数。
1982年生まれ。油画を描いていた経験を生かし、デジタルでも色を重ねて作り上げる淡い色調を得意としている。代表作として絵本『魔人とのばらの魔女』(まんだらけ)、2013年には画集『システムキッチンぱんつ』(1月と7月)を発表。チョコレートが好き。