鈴木鈴(すずき・りん)は、念願かなって私立・星柳学園の中等部に入学したばかり。不安もいっぱいあるけれど、気に入った学校で、新しく自分を始めようと、毎日はりきっている。1学期に予定されている合唱コンクールのオリジナル曲作りに積極的にかかわることにしたのも、引っ込み思案な自分を変えたかったからだ。
鈴が引っ込み思案になったのは、小学校4年生のとき、鈴が見た「予知夢」にかかわるある事件のせいだった。友だちが離れていき、ひとりぼっちですごした日々。だからこそ、同じ小学校の同級生がひとりもいない環境で、友だち作りからやりなおしたいと考え、鈴は星柳学園を受験したのだった。
ところが、もう見ないだろうと思っていた予知夢が、鈴のところにやってきた。――苦しんでいる男の人、あれは……。そして、繰り返し見る、見知らぬ少女の夢は、はたして予知夢なの? 少女は鈴に、なにを訴えているの?
近所に住む大学生の航平とともに、鈴の、夢の謎を追う日々が始まった――。
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