小学六年生の吉村宏美は、いくつもの大都市に住んできた。しかし、今回の転校先は、片田舎の城下町・もみじ市。六年二組にうまく溶け込んだはずの宏美だが、運動会のリレー選手を決める際に、クラスのリーダー白石美和や、その友達・坂本春香と揉めてしまう。放課後「クラスのみんなが忘れていた大切なものを思い出させてくれる」という不思議な黒猫ノアに導かれた宏美は、美和の曾祖母で薙刀の師匠・小笹と出会う。誰をリレー選手にするのか決着がつかず、クラスのみんなともぎくしゃくしたまま運動会を間近に控えたある日、お父さんは急な東京への引っ越しを告げる。ノアと出会った意味はなんなのか、これまでの転校と違って複雑な思いを抱えたままの宏美は、いよいよ六年二組での最後の日を迎えた。
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