神が人であり、人が神であった時代……。野山をかけ、弓矢できつねを狩り、人々と平和な暮らしをたいせつにする山幸(やまさち)。対する兄の海幸(うみさち)は、権力を振りかざし、隣国とのいくさにあけくれる。ふたりは、イネが黄金色にかがやく平和なヒムカの国の王の座をめぐって対立。兄の策略によって国を追われた弟は、海の国の王の娘・豊玉姫と結ばれ、海の王子となる。天と地と海が舞台の壮大な物語。