先進的な試みが多くなされている民営刑務所。そこへ新たに配属された河合凪は、刑務所の中であたかも自由であるかのように振舞う受刑者・阿久津真哉に奇妙な違和感を覚えていた。ここは檻(CAGE)なのか、避難所(SHELTER)なのか。語られる囚人たちの罪と罰――真実は、管理する者とされる者の境界を、ゆっくり溶かしていく。
2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。弁護士として働く傍ら小説を執筆。兵庫県在住。他に『霊感検定2』がある。